- 放浪館管理人
【志塾】奄美ツアーに出かけよう!
更新日:9月20日
5月21日、今年度初めてのワークショップが行われました。
さて、今年度の志塾のテーマは、奄美をガイドできるくらい詳しくなろうです。
その前に、先輩を見ておきたい!ということで今日は島のベテランバスガイド
をお迎えして奄美ツアーを行います。
梅雨も真っ只中なのに、晴れました!!
子どもたちは遠足気分でテンションが上がっていますね。

早速出発です!
【福崎道代さん】
こちらがベテランバスガイド福崎さん。
島のことを知り尽くしていると言っても過言ではありません。

あやまる岬を目指し出発した放浪館志塾号ですが
その途中もたくさんの面白い話を聞くことができました。
奄美クレーター(星窪)の話、開国を迫ったペリーは浦賀から1回奄美に来て待機してた?
など聞きながらあっという間にあやまる岬に着いてしまいました。
【あやまる岬に到着】
なぜ、あやまるという地名なのか? 子どもたちにクイズ形式で教えてくださいました。
あやまる岬は、太平洋に突き出した岬が丸くて、綾に織りなす毬に似ているとのことからつけられた地名です。 水平線を見ているだけで、地球が丸いと感じられますね。
その他にも蘇鉄(ソテツ)にまつわる知識を話してくれました。
蘇鉄は鉄が蘇ると書く。たまに鉄くぎを刺されたソテツがあるけどいたずらしているわけではなくて栄養を与えているんだよ。

とても気持ちが良いあやまる公園。
子どもたちは、いてもたってもいられません。早く遊具で遊びたいのです。
優子先生のOKの声がかかると一瞬でいなくなりました。
つかの間の時間を遊び倒す子供たち。 さあ!次にいくよー
【赤木名集落に到着】
バスに乗って少し走ると、赤木名(あかきな)集落に到着しました。
福崎さんに集落を歩きながら案内してもらいます。
ここは、薩摩藩統治時代に代官所があったところで、昔でいうと奄美大島の首都みたいなところでした。現在、島の中心部は名瀬に移っていますが、とても大きな屋敷などが並んでいた集落です。
最重要地区なので、攻め入られないように、海からはまっすぐ通れる道路がない(必ず少し曲がる)など地形上の説明から始まって、家の作りや高倉(貯蔵庫)についての説明など子供たちは聞き入っています。
高倉は作物をねずみから守るための建物ですが、他にも台風で倒れないようになど様々な工夫がありました。クイズ形式で出題されて子供たちも張り切って答えています。

そうやって歩いていると、川に突き当たりました。向こうの方からカヌーがやってきます。
大島北高校カヌー部のお姉さんたちでした。みんなでがんばれー!と応援しました。
【赤木名ミキ】
次に着いたのが赤木名ミキ製造所。
“ミキ”はさつまいもと米、砂糖を発酵させた伝統的な奄美の飲み物です。
昨年度のムズラシャバトルでミキのことについて発表してくれた
伊村慶さんが詳しく教えてくれています。
現在でも販売しているメーカーがいくつかありますがその一つがこちらの赤木名ミキ。
早速飲ませていただきます。
本当に美味しかった!!
ミキはなぜか苦手という子が多いのですが、大好き!という子たちもいました。
ぜひ、ご家庭でも一度お試しください。
今日作ったものと、数日前に作ったものを飲み比べさせて頂きました。
製造日によって発酵の具合が変わるので、それも面白かったですね。
【石敢當、穴あきブロック、すいじ貝、100m競争】
歩きながら、福崎さんが次々に説明していってくださいます。
石敢當(いしがんとう・せきがんとう)は、中国と沖縄を経由して伝わった魔除け。
道から入ってきた禍を、集落に広まらないようにここで封じます。

そして、コンクリートブロックで塀が作られるようになってから
台風の対策として、風を逃がすための穴がたくさんあけられた事
門の上に置いてある貝(これも魔除け)の意味、長ーい集落の道で100m競争
などなど、たくさん聞きました。
集落を歩くだけで、たくさんの知識を得ることができました。
やばーい!この時点で20分ほど予定をオーバーしています。
急いでバスに乗り込み次の場所に移動します。
子供たちもちょっと疲れたみたいで、座席でうとうとする子もチラホラ。
【あらば食堂で昼食】
赤木名集落歩きの時から”お腹がすいたコール”が複数ありましたので
急遽予定を変更して先に昼食を頂くことになりました。

あらば食堂は秋名集落荒波地区のおっかん(お母さん)達が旬の地場産の食材を生かした
懐かしいシマの家庭料理を提供してくださるお店です。
料理ひとつひとつ、丁寧に説明してくださってどのように作られたかを知りました。
さあ!みんなで頂きまーす!!
旬の野菜をたくさん使った献立が美味しそうですね。子供たちもモリモリ食べています。
先生&スタッフたちも味つけが沁みる~~と美味しく頂きました。
作ってくれた方のお顔を見て、料理の説明をよく聞いていたからでしょうか。
ほとんど残すことがありませんでした。みんな偉い!

そしてあらば食堂のみなさん、おいしい昼食をありがっさまりょうた。
【龍郷集落で西郷隆盛の痕跡を探す】
あらば食堂を後にした私たちは10分ほどで、龍郷集落に着きました。
島の人は本龍郷(ほんたつごう)と呼びます。
薩摩藩より潜居を命じられた西郷隆盛は、隣の久場(くば)集落付近から
奄美大島に上陸し、この本龍郷で暮らしました。龍郷の中心部ですね。
西郷さんが最後に住んだ家と、愛加那(西郷の島での妻)さんのお墓を見学しました。
そんな歴史の話を福崎さんから聞きながらゆっくりと集落を歩きました。
ちょっと午前中に遊び過ぎて、後半がギリギリになりました。
【灯さん、透さんの発表】
バスに乗り込むと灯さんが西郷菊次郎さんについて発表をしてくれました。
菊次郎さんは西郷隆盛の息子で台湾の近代化に尽くした人物です。
龍郷町は近年、この菊次郎さんの一生を子供たちが演じるというミュージカルを行っており大変好評です。灯さんはそのミュージカルの出演者の一人でもあるので、とても詳しいというわけです。 菊次郎ミュージカルのページはこちら
次に透さん

透さんおうちは「番屋」というお魚料理が大変美味しいお食事屋さんを営んでおられます。
この番屋とは、港の番をするために人が詰めている場所だったとの事。
この番屋の近くに西郷さんが乗ってきた船をくくりつけた松がありました。
これは西郷松として長年親しまれていましたが2011年に命を終えました。
しかしその松を使った西郷さんと愛加那さんの木像が龍郷町役場で展示されています。
今日はずっと福崎さんの話を聞いていたけど、
最後に同じ志塾生からも奄美大島の説明を聞いて子供たちは少し驚いたようでした。
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さあ、後は保護者の皆さんが待っているビッグⅡに戻るばかり。
というとで、お菓子争奪じゃんけん大会が始まり大盛り上がりです。

楽しかった奄美バスツアーもこれにて無事に終了。
子どもたちはより深く奄美を感じたようでした。
そして、何よりちょっとずつ新しい仲間と
仲良くなっているようで私たちも大変嬉しかったです。
来月もがんばっていきましょう!