【志塾】シマのもののけ
10月11日、「シマのもののけ」ワークショップが行われました。
日本では目に見えない何か怖いものを「もののけ」と呼んできました。
シマにも「けんむん」という有名な「もののけ」がいますね。
「ムン」とはもののけのこと。
今日はその「ムン」のスペシャリストをお呼びして「ムン」ってなんだろうというところから教えて頂きます。
【お参り】
ワークショップが始まる前に、放浪館神社でよくお参りしておきます。
きゃ~手が出てきた~!
【ムンばなし】
真っ暗な中、ワークショップが始まりました。
まずはムンばなしを3つ聞いてみよう。

暗闇の中にムンのイラストだけが浮かび上がり、ゆうこ先生のむんばなしがスタートしました。ざわざわしていた子どもたちも、静かにムンの世界に引き込まれていきました。
その中から2つご紹介します。
① 耳切れ豚

耳切れ豚(ミンキラウヮー)は、奄美・沖縄に伝わる豚の姿をした妖怪で、夜道に現れて人の股をくぐろうとする。もし、くぐられると死んでしまうので、足を交差して防ぐ。
昔、小さい子供が死ぬと軒下に埋めるものだったことから、このミンキラウヮーは死んだ赤子の霊とされ、母親の体に戻ろうとしているとも考えられている。
〇出没場所と対処法
みんなが住んでいる家のそば、集落、名瀬の町など。 出る時間帯はだいたい夕方。
対処法は、この絵のように足を交差する。
②ケンムンと鍋の蓋

奄美大島・知名瀬集落である夜、集会があった。 一人の漁師はそこへは行かず、海に釣りに出た。釣れた魚は竹籠に入れておいたが、よく見ると魚の目玉がなかった。これはケンムンの仕業に違いないと思って悪口を言ったところ、たくさんのケンムンが出てきた。
これは危険だ! と漁師は、集会場に逃げ込んだがもうみんな帰っていて、酔っ払って寝ている男が1人いるだけだった。 漁師は台所の鍋の蓋をかぶって隠れた。 ケンムンたちはどやどやと入ってきて漁師を探したが見つからない。最後には寝ていた男を殺して出て行った。
〇妖怪の習性と鍋の蓋の力
そもそも妖怪は基本的に人の家の中に入らないがこの漁師はケンムンを挑発したため入ってきた。昔の鍋の蓋はススキとか藁とかを紐みたいにして編んで、それをくるくるくる渦巻き状にしてくくったものを使っていた。 この渦巻きが魔物を払う。
【ムンの世界】町 健次郎先生登場
電気がぱっと点いて、「改めましておはようございます。」と町先生があらわれました。
瀬戸内町立図書館・郷土館館長の町健次郎さん(与論島出身)です。昨年、『奄美妖怪考 日本(ヤマト)と琉球、そのはざまの怪異誌』を発表され大ベストセラーとなっています!
〇ムン(モン)の世界
妖怪って言葉は知ってるよね。島で妖怪という言葉を使うようになったのは、実は新しいんです。昔、島では妖怪のことを「モン」と呼んでいました。日本語の「もののけ」の「モノ」と同じ意味で、怖いものやよくわからないものを指します。
ケンムンの「ムン」もこの「モン」。そして「ケ(正しくはケとクの間のような発音)」は"木”からきており、つまりケンムンは「木の妖怪」という意味になります。
ほかにも、ハブを「マジムン」、幽霊を「タチムン」と呼ぶなど、島で「ムン」がつくものは怖いか、よくわからないモノを意味します。
妖怪と幽霊の違いや町先生が実際に見た「ケンムンの火」の話をしてくださいました。
そして、先生は言いました。
「そうやって暮らしていると、私の身近に妖怪がいる気がしてならないんです。」
【オリジナルのムンを生みだそう!】
先生のお話を聞いて、子供たちは怖くなったり、不思議な気持ちになったりしていました。
さて、今日のワークショップはこうやって、目に見えないけれど何か気配を感じてしまうものを持ってきてもらい、それを実際に「ムン=もののけ」として形にしてみようと思います。
まずはヒゲ先生が生み出した「アウンヌムン」を見てみましょう。

プロフィールには細かく情報が書かれています。
はい、それではみんなも想像を膨らませて、自分のムンを形にしてみよう!
猫の毛や流木、オクラが入っていたネット、石などいろいろありますねえ。
完成した人から写真を撮って、午前中は終了です!
【お昼ごはん】
雨が降ってきたので、ぎゅうぎゅうの室内で食べました。
【ムンのプロフィールを考えよう】
午後からは、自分のムンのプロフィールを考えていきます。
なぜ、ここに出没するのか? 対処法は何か?
みんなたくさん書き込んでいますね。
【ムンを発表!】
ユニークなムンたちが出そろいました。
たいふうむん、ぐみぃむん、アイスムン、カップムンをご紹介します。
【町先生からのおことば】

後ろでみんなの一人一人の話を聞いて、とっても面白かった。
いやー、多分ね、今日一番勉強したのは私だと思います。
何が一番興味深かったかというと、皆さんが発表しているムンの中には、昔々の奄美に伝わる妖怪と同じ特徴がいくつか出てきてびっくりしました。
例えば石を投げてくるとかさ、石、本当にね、聞くんですよ。 もしかすると君が作った妖怪が本当にいたかもしれないんだよね。
あと、現代的なキーワードがいくつか出てきた。 ゴミというキーワードね。 やっぱり今身近な問題として取り上げてくれてるんだよね。 あまり有名じゃないんだけど、山で悪いことをすると道を迷わせて家に帰らさないっていう「ヤマワロ=山童」っていう妖怪もいたんだよね。環境を乱すものに対して、何か仕返しをしてしまうっていうのが昔もいたんですね。だから皆さんが考えることって、昔の人の考えることとあんまり変わってなくて、
私としては妖怪は今のもの、昔のものって考えてることがおかしいなと改めて気づかされました。
そして、アイス、プッチンプリンというキーワード出てきたね。 これも面白かった。
妖怪っていうのは、(何か異世界との境目みたいな場所=あまり人通りがないところ)橋のそばとか墓のそばとか端っこに出る傾向がある。学校だったら音楽室とかね。だから、無意識に冷蔵庫の向こう側は異世界とつながっているみたいな見立てが成り立ってるんじゃないかなと思うんですね。
皆さんから教えていただいたネタを、私がまた本にできたらいいなあ~笑、またここに招請されたらいいなあと思います。
今日は本当に皆さんありがとうございました。

町先生~~ここに書ききれないほどの楽しいお話をありがっさまりょうた~。
ぜひ!また来てくださいね。
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