- 放浪館管理人
【志塾】シマグチを話そう!!
1月22日日曜日、今年最初の志塾ワークショップが行われました。
今回は、奄美大島の方言=シマグチを、まず話してみようという内容になります。
日本の消滅危機言語8つのうちの1つである奄美大島の言語。
放浪館では、特に力を入れて毎年シマグチの授業を行っています。
シマグチ、、大切だけれど難しくなく、楽しく学びましょ!!
【シマグチかるた】
ということで、本日のウォーミングアップは2020年度の志塾生が作ったシマグチかるたで遊んでみます。
シマグチかるたには島の言葉と英語を表記しています。
よ~りよ~り / Slowly
これで、なんとなく意味が分かりますよね?
ゆっくりという意味です。
みんなが手に持っているのは、ハエたたき! 最近あんまり見ませんよね。
密を避けるためにこれで札をとります!
正月っぽいですね。白熱しました!
【としひろうじ 登場!】
今回、シマグチの指導としてお越しいただいたのは戸口集落出身・在住の「山口利博さん」島では年配の近しい男性の事を親しみを込めて名前の後にうじ(ヲジ)をつけて呼びます。
としひろうじは、戸口の集落で子供たちにシマ唄を教えたり、小学校などでもシマグチを教えたりしています。


【シマグチ劇とは?】
今日のために、先生たちは昔話・浦島太郎をアレンジして浦島忠蔵物語を用意しました。
この”忠蔵”とは放浪館の由来ともなった戸口出身の放浪の画家「保 忠蔵」からお名前を借りています。これに合わせてペープサート(紙人形)を用意しています。

ストーリーはみんな知っていますが、これをどのようにシマグチで演じるのか?!
シマグチ翻訳には時間がかかる為、前もってとしひろうじと先生たちで訳しておきました。
(それはそれは大変な作業でした。。)
一旦、志塾スタッフ&先生で翻訳前の文章を読み上げます。
【役割分担、配役決め】
今回のワークショップでは、シマグチを実際に口に出して読んでみるということに重点を置いています。
いかに、自然にシマグチ劇を演じることができるか?!
それには、役者だけでなく劇をまとめるディレクターや物語をすすめるナレーターも必要です。班に分かれて、誰が何やる?って相談をしています。
役割が決まったら、今度はとしひろうじにイントネーション指導を受けます。
タブレットPCで後で何度も聞き返せるように録画しています。

何人かは、嫌がってえ~~やるの~~みたいなテンションになるのかと思いきや
全員真剣!前向き!
真摯に向き合う子供たちにとしひろうじの指導にも熱がこもります。
それぞれ、場所を変えて教えてもらったシマグチ表現を練習しています。

としひろうじは優しくて、子供たちのシマグチに完璧!OK!など
声をかけてくださいます。こうやって言ってもらえるとハードルが下がって
気軽にシマグチを使ってみたくなりますね。
実際に子供たちは大変上手でした。
【撮影&鑑賞】
これはペープサート(紙人形)劇です。
動かしながら、台本をみてセリフを読むのは難しいので、先にセリフだけを録音。
その後に、ペープサートを音に合わせて動かしたものを録画します。
声が小さい、ナレーションが早い、ペープサートの動きが小さい、
など実際にやってみるとこれでは伝わらない!と分かることがあります。
ディレクション担当の子は「こうしたほうがいい」「ああしたほうがい」と
アドバイスを入れていきます。
全体を4幕に分けて班ごとに撮影が終わりました。
何度も、撮り直しする班、ファーストテイクでOKな班。
様々ですが、終わった後にはちょっとした一体感が生まれています。
さあ!鑑賞しましょう!
1幕 戸口の海辺でいじめられている亀を助ける浦島忠蔵と野獣先生
2幕 助けた亀に竜宮城(サンタフェ)に招待される
3幕 竜宮城(サンタフェ)では飲めや歌えの楽しい日々
4幕 戸口の浜に帰ってくると・・・・
【終わりに】

自分たちの作品を食い入るように見ている子供たち。
見ながらも、ああすればよかった、こうすればよかったという言葉が出ています。

としひろうじからも、お褒めの言葉を頂きました。
そして今日は、みんな同じイントネーションでやってもらったけど、戸口はもっと平坦だったりしてて、集落によってとても違いがあります。そういうことまでわかるようになると良いねとのこと。祖父母と暮らしている、または近くにいるひとは聞いてみましょう。

としひろうじ、ありがっさまりょうた~~~!
また、教えてくりしょうれ。